2019/11/29 金曜日

クラウドファンディング終わる

Filed under: ブログ — admin @ 20:05:13

               愛媛県更生保護会施設長 松田辰夫
 昨日をもって,本年10月17日(木)からインターネットサイトを立ち上げて始めたクラウドファンディングが終わりました。
 お陰様で,最終支援総額は,当初の目標額400,000円を大きく上回る1,219,500円となり,寄附者数も124人となるなど,皆様方から絶大な御理解と御支援を受けまして,実り多い成果を上げることができました。この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

 

 顧みれば,本クラウドファンディングを始めるきっかけになったのは,本年6月に法務省保護局からの要請を受けて,「再犯防止推進計画」(平成29年12月閣議決定)上の課題に取り組むためでした。もとより,この「計画」は,「再犯の防止等の推進に関する法律」(平成28年法律第104号)に基づくものであり,この「法律」は,再犯・再非行の防止を図り,国民一人ひとりが安全で安心して暮らせる社会を創り上げていくいう時代の要請を受けて制定・施行されたものです。
 私たち愛媛県更生保護会は,このような「法律」・「計画」の下で全国の更生保護施設に先駆けて,独立行政法人福祉医療機構の中野佑一さんと三好仁美さんの御支援を受けながら,クラウドファンディングに挑戦してきました。そして,そうした中で,西日本新聞社,愛媛新聞社,読売新聞社松山支局,共同通信社松山支局から取材があり,各新聞社では,大きく紙面を割いて報道されたのみならず,NHKテレビのニュースでも報道されたこともあり,また,本年11月26日(火)の参議院法務委員会(国会中継)で取り上げられたこともあって,寄附金の目標額の確保はもとより,クラウドファンディング本来の目的の一つである「私たちの活動をもっと社会の人たちに知ってもらいたい。」ということが実現できることとなり,大きな満足を得ることができました。
 加えて,前例のない新たな試みに対して,下記の6人の方々から素晴らしい「応援メッセージ」をいただきました。これら6人のメッセンジャーは,それぞれの立場において,前記の「法律」はもとより,平素から再犯・再非行の防止のために積極的な関与等の事務や実務をされている国の機関,地方公共団体,民間の社会福祉法人の方々です。私たちは,これらの「応援メッセージ」によって,種々の困難を乗り越えて更生保護事業の歴史に新たな1ページを付け加えるとの気概を一段と高められ,激励を受けてきました。本当にありがとうございました。
 こうした6人の応援をいただき,また,多くの一般の方々の深い御理解と御高配を賜りまして,本クラウドファンディングが盛大に行われましたことを深く感謝致します。今後は,皆様方からいただきました御寄附を原資として,平素の御礼のために,また,更生保護の更なる普及宣伝のために地域住民の方々をお招きして,まず,来年1月6日(月)に「ホゴちゃん・サラちゃん食堂」を開催し,次いで,来年3月中に「もみじ食堂」(仮称)を開催することとしています。皆様方におかれては,今後も引き続き私たち愛媛県更生保護会の活動を注目していただき,更生保護に対する理解と関心をなお一層深めていただければ,幸いに存じます。
 それでは,次のとおり6人の方々による「応援メッセージ」を掲載させていただきます。なお,表記方法を統一させていただくため,本文中「、」を「,」に直させていただきましたことを申し添えます。

   法務省保護局今福章二局長
 犯罪や非行をした人を地域社会の一員として受け入れ,立ち直りを支援していく更生保護の取組は,多くの民間協力者に支えられながら本年で制度施行70周年を迎えました。
 中でも,全国に103ある更生保護施設は身寄りのない刑務所出所者等の一時的な住居として,出所者等の立ち直りを,昼夜を分かたず見守り支援していますが,こうした取組は地域の皆様の御理解と御協力がなければなし得ません。
 愛媛県の更生保護施設である雄郡寮ではこれまで「ふれあい農園ひまわり」を地域の人々と一緒になって拓き,地域と入所者との距離を一気に縮め,その社会復帰を支えてこられました。
 今回のクラウドファンディングで,さらに大きな人の輪が生み出されていき,これまで関心がなかった人が更生保護分野に理解を示してくださったり,さらに資金を提供してくださったりする中で,更生保護のネットワークが地域に更に広がっていけばありがたいと思っています。
 今後も複数の更生保護ボランティアがクラウドファンディングを実施すると伺っています。全国のほかの更生保護施設や更生保護団体に波及することで,再犯が減り,安全・安心で人と人が共に支えあう明るい地域づくりにつながっていくことを期待しています。

   法務省矯正局名執雅子局長
 8月29日に,今福保護局長と一緒に,雄郡寮を訪問させていただきました。
 地域の皆様が集まる施設,明るく開かれたホール,そして一緒に育てる「ふれあい農園ひまわり」・・・発展性のある更生保護施設の存在に驚き,松田施設長のあふれる熱意とアイデアに,感動で胸が一杯になりました。この度の「ホゴちゃん・サラちゃん食堂」も,地域の皆様と一緒に発展していくことでしょう。
 偏見も孤立もない,誰一人取り残さない地域社会を創る。この最大の命題に対する挑戦を,愛媛県から力強く発信してください。矯正も保護と一緒に前に進みます。一緒に頑張りましょう!

   松山保護観察所中村英雄所長
 松山保護観察所長の中村英雄と申します。保護観察所は,保護司や更生保護女性会をはじめとする民間のボランティアの方々と一緒に犯罪や非行をした人の立ち直りを助けるとともに犯罪・非行予防活動を行っているところです。
 犯罪や非行をした人というと,とても恐ろしいイメージがあるかもしれません。しかし,その多くは不幸にも道を誤ってしまった人たちであり,「居場所」と「出番」,そして,きちんとした指導があれば必ず立ち直れる人ばかりです。愛媛県更生保護会はそういった方々を支援する施設であり,「居場所」と「出番」を提供し,心のこもった助言と親身の支援により多くの寮生を更生へと導いてきました。そして,真の寮生の姿を理解していただくべく施設内に社会に開かれた地域交流室を設け,またガレージセールを行うなど先進的な取り組みを行ってきました。
 「居場所」と「出番」の「出番」とは通常は「仕事」を意味し,仕事をすることにより生活の糧とやりがいを獲得するのですが,超高齢化社会の中で受刑者も高齢者が増えております。愛媛県更生保護会ではそういった高齢者を積極的に保護されておりますが,残念ながら厳しい労働市場の中で雇用されない寮生もいます。もちろん各種支援を受けながら自立するように導いていただいているのですが,それだけでは「出番」が与えられたとは言えません。そういった問題を解消するために,愛媛県更生保護会では「ふれあい農園ひまわり」を設置し,高齢の寮生に農作業という「出番」を提供してやりがいを感じてもらえる取組を行っています。これは寮生の更生にとってもまた,安全・安心な地域社会作りのためにも大変意義のあることだと思います。
 このすばらしい取組にクラウドファンディングという方法で誰でも気軽に支援でき,その結果「ホゴちゃん・サラちゃん食堂」が開催され,地域の方々と愛媛県更生保護会との結びつきを深めることに貢献できるということは本当に素敵なアイディアであると思います。
 一人でも多くの人に更生保護について,とりわけ愛媛県更生保護会の取組に御理解いただき,このプロジェクトが成功することを心より祈念いたします。

   愛媛県中村時広知事
 更生保護法人愛媛県更生保護会の皆様方におかれましては,日頃から,過ちを犯した人の社会復帰の支援に尽力され,犯罪や非行のない明るい地域社会づくりに多大なご貢献を賜っており,深く敬意を表します。
 現在,県では,誰もが安全で安心して暮らせる社会の実現を目指し,県民の防犯意識の高揚や子どもの安全確保など,犯罪の抑止に向けた各種施策を展開するとともに,市町や関係団体等と連携した再犯防止体制を構築すべく,新たに「愛媛県再犯防止推進計画(仮称)」の策定を進めているところです。
 こうした中,来年1月に開催される「ホゴちゃん・サラちゃん食堂」プロジェクトは,更生保護施設「雄郡寮」の入寮者と地域の方々が共同で育ててこられた野菜を用いて,地元のお年寄りや子どもたちに食事を提供する取り組みとうかがっており,更生保護施設に対する地域の理解を深め,入寮者の社会的孤立の防止・解消につながる大変有意義なものと存じます。
 本プロジェクトの成功に向け,多くの方々からクラウドファンディングを通じた温かいご支援が得られますことを,心から願っております。

   松山市野志克仁市長
 愛媛県更生保護会の皆様は,日頃から犯罪や非行のない幸せな社会を実現するため,積極的に取り組まれています。また,罪を犯した方の更生を助け,再犯を防止し,社会復帰に力を尽くされ,深く敬意を表しますとともに,心から感謝を申し上げます。
 さて,貴会の雄郡寮では食堂を開き,社会復帰を目指す方が,地元の方と一緒に育てた野菜を使った料理を,地元のお年寄りや子どもたちに食べてもらう地域ぐるみの取組を進めています。このイベントは来年1月に開催される予定で,インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングを活用し広く支援を募られると伺っています。
 松山市では,皆さんの安全・安心なまちづくりに,多くの方から御理解と御協力をいただき,イベントが盛大に開催されるよう願っています。
 結びに,更生保護法人愛媛県更生保護会の御発展と皆様の御健勝,御活躍を心からお祈りし,私のメッセージとします。

   南高愛隣会田島良昭顧問
 長崎県の社会福祉法人「南高愛隣会」の田島良昭です。障がい者の方の地域生活を支える活動に40年以上取り組んできました。現在は,南高愛隣会の顧問だけでなく,罪を犯した障がい者・高齢者の方たちの社会復帰支援を行う「全国地域生活定着支援センター協議会」の顧問を務めています。
 愛媛県更生保護会施設長の松田さんには,長崎刑務所の処遇部長をされていた時から大変なお力添えをいただいております。退官後も,現職のほか,社会福祉士の資格を取得される等,活動的な第二の人生を送られているとお聞きしていました。
 この度,罪を犯した方たちが自ら栽培した農作物を季節料理として地域の高齢者や子どもたちに届ける「ホゴちゃん・サラちゃん食堂」を開かれると聞き,本当に松田さんらしい熱意あふれる取り組みだと感銘を受けました。
 更生保護と地域をつなぐこうした取り組みは,罪を犯した人たちだけでなく,何らかの「生きづらさ」を抱えた人たちに光をあてることであり,国が推し進める「地域共生社会」のモデルにもなるのではないかと思います。私自身も応援団の一人として,このクラウドファンディングの成功を心から願っています。
 ぜひ,皆さんのご支援をよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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