2019/4/29 月曜日

あ あ 料 治 統 括

Filed under: ブログ — admin @ 13:25:07

               愛媛県更生保護会施設長 松田辰夫
 犯罪を犯した人たちは,刑務所を出所した時から,仮釈放の対象者として,また,更生緊急保護の対象者として,あるいは,裁判が終わった時から,保護観察付執行猶予者などとして,再び犯罪を犯す可能性がある実社会の中で,社会からの拒絶反応を感じつつ,自助努力により,保護観察を受けながら自立更生の道を歩んでいかなくてはなりませんが,しかし,このようなことは,容易なことではなく,したがって,それら犯罪を犯した人たちが長く苦しい努力を続けていかなければならないことは,疑いないところであろうと思われます。そうした中で,そのような更生への努力を促し,更生を遂げさせるという困難な保護観察の仕事を民間人として行っているのが保護司であり,保護司の委嘱を受けている更生保護施設職員等であります。
 しかし,そうした困難な保護観察に携わることは,時に,心理的に不安定な対象者や危険性の強い対象者に加え,普段経験したことのない厳しい難局などにぶつかると,携わる者自らが気がくじけ,対処方法が分からなくなって,バーンアウトしてしまうことがあります。そのような時に,国家公務員として,民間の更生保護施設職員等をも含む保護司と協働して保護観察を行う国の職員に,更生保護に関する専門的知識及び技術を有する保護観察官がいます。どのような困難な事案等にも背を向けることなく,避けて通れない課題等にも正面から真剣に向き合って,民間人(保護司等)にアドバイスをし,彼らを励まし,勇気づけ,いろんな意味でスーパービジョンを行ってくれる保護観察官が存在することは,言わば当然であるとは言え,本当に有り難く,感謝して余りあるものがあります。専門的な知識と技術とともに豊富な経験を有している保護観察官が,その専門性及び積極性等を発揮し,種々困難で新たな事案等に関して,保護司や更生保護施設職員等を全面的にバックアップしてくれることほど,有り難く心強いことはありません。そして,そのような時にこそ,それら保護司等は,苦労は大きくても,更生保護の仕事に前向きに歩を進めて行こうという気持ちになれるものです。
 この点,本年春の定期人事異動により,松山保護観察所から高知保護観察所に転勤された料治謙一郞統括保護観察官(50歳。以下「料治統括」という。なお,転勤後の役職は企画調整課長。)も,また,そうした保護観察官の一人でした。
 ところで,当保護会(収容保護定員は20人)は,前年度(平成30年度)に収容保護率91.2%を記録しました。この過去最高の実績は,一人でも多くの被保護者を受け入れて,真に更生保護にふさわしい仕事を遂行することを目的に,全職員が一丸となって取り組んだ成果であり,全国的にも高い評価を受けました。しかしながら,このことはまた,私の立場から言えば,指導監督官庁である松山保護観察所,とりわけ,実際の担当者である料治統括の御指導なくしては,成し遂げられなかったところです。
 更生保護とは何か,私たちは何のためにこの仕事に就いているのか,一人の被保護者(元犯罪者及び非行少年等)と向き合う姿勢はどうあるべきか,苦労は誰のためにするのか,道を誤った被保護者に正常な社会性の回復を図らせるための仕事に従事する者は,どのような考え方を持ち,どのように行動しなければならないか,地域社会が全ての人々にとって(もとより,元犯罪者等にとっても)安全で住み良い社会となるために,今,ここにいる被保護者一人ひとりの問題性の解決に取り組み,地域の人々が彼らを理解して受け入れてくれるようになるために,私たち更生保護の実務に携わる者は,一つひとつの事案(ケース)をいい加減に扱わず,常に真剣でなければならないことなどを,料治統括は高い志を持って,いつも考えておられました。そして,そのような考え方と似通った私の考え方及び仕事の仕方とその方向性等を常に理解し,尊重し,後押しをしてくれました。このことをあわせ考えると,前記の収容保護率の実績は,ひとえに料治統括のお陰であると言っても過言ではありません。
 このような料治統括と出会って,1年6か月間一緒になって,職員ともども,幾多の問題を克服しながら,幾多の困難な時期を乗り越えて,当保護会が大きく発展と飛躍を遂げていくための仕事ができたことをうれしく思うとともに,大変有り難く思っています。そして,万感の思いを込めて,「ああ料治統括」という感謝の言葉を贈ります。ありがとうございました。新任地での更なる御活躍を祈念いたしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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