2018/11/30 金曜日

「高齢者等生きがいづくり農園作業」始まる

Filed under: ブログ — admin @ 15:32:28

               愛媛県更生保護会施設長 松田辰夫
 今日,我が国では,高齢犯罪者及び障害犯罪者の再犯率の高さが社会問題となっていますが,そうした状況の中で,この度,愛媛県更生保護会(通称「雄郡寮」。以下「当保護会」という。)において,「高齢者等生きがいづくり農園作業」を始めました。この「農園作業」は,地域の保護司会会長,更生保護女性会,近隣住民の御協力を得て,当保護会の被保護者のうち,一般就労が困難な高齢者及び障害者等に対する自立更生を促進するための,新しい試みとして始めたものです。なお,農園の名称は,「ふれあい農園ひまわり(雄郡寮)」です。
 この新しい試みは,これまで住居支援と就労支援を中心に運営されてきた全国の更生保護施設において,最近の刑事施設の収容状況等を反映して,とみに,就労ができない高齢者や障害者等の帰住が増加しており,当保護会もその例外ではないことから,それらの者の再犯防止と自立を効果的に図るためにどのような処遇方法が必要であるかという観点から,「平成30年度愛媛県更生保護会事業計画」の一環として,考えたものです。
 つまり,就労ができず,老後や将来への希望が持てない,高齢・障害犯罪者等であった人たちを受け入れて保護し,一定期間,生活指導その他必要な補導援護を行った後,福祉的支援として生活保護の受給,福祉施設への入所等につなげるというだけの,従来の処遇方法では,真の根本的解決にはなり得ないことはすでに知られているところで,それゆえ,それらの者が当保護会に在会している間に,過去の経験のあるなしにかかわらず,農園作業(野菜づくり等)を通じて新たな生きがい,すなわち,生きる意欲につながる生きがいを見いだし,地域の住民と触れ合っていく中から,自力で更生を遂げていくことを目的とした,根本的対策を立てることとした次第です。言うまでもなく,農園作業では,身体を動かし,土に触れ,野菜等を育て,収穫の喜びと食事の幸せを実感できるほか,仲間や地域の住民と共通の野菜づくり等を通じて,いわゆる「農園コミュニティ」が生まれ,人生が豊かになるという良さがあります。これが,高年齢等の被保護者に大きな変容をもたらすであろうことは,想像に難くありません。
 そして,在会中に農園作業を経験・再経験した後は,彼らに,退会後に生活保護を受けながら農家の手伝いや農作業のパート等に就労できるように支援することによって,換言すれば,「居場所」と「出番」と「生きがいづくり」を確保してやることによって,再犯防止と着実な更生につなげていくよう取り組むこととしています。さらに言えば,近年,農家の高齢化等により,農業の担い手不足が深刻な社会問題化していますが,当保護会の農園作業従事者の労働力が,その問題の解決のために少しでも役立つようなことになるならば,再犯の防止と農家の衰退という二つの社会問題の解決に大きな希望が見いだされるはずであり,画期的な取組となることでありましょう。
 なお,この農園作業の開始から初回収穫に至るまでの経過について述べなければなりませんが,今回のBLOGでは,以下に,その経過を示す写真を掲載するにとどめ,次回以降において,その概要を記述して紹介することとします。

 

  除草前の農耕地(H30.5.1(火))

 

  農耕地の除草(H30.8.5(土))

 

  農耕地の耕運(H30.8.31(金))

 

  種植え・苗植え(H30.10.11(木))

 

  野菜の初回収穫(H30.11.15(木))

 

  看板&地元更生保護女性会・住民(H30.10.14(水))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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